ナガオカケンメイというデザイナーが、グッドデザイン商品のリサイクルショップをやっている。この冊子もD&Department projectという、その活動の一環だ。「ロングライフ」という言葉でくくることによりその事象さえも「消費」している我々には、何が本当に必要なものなのか。
前の記事にも書きましたが、私は「経済」がいつも悩ましいのです。難しい問題です。大人になる事を先延ばしにしていることによって生じた、この「消費」するだけの社会で、本当に必要なこととはなんなのか。というわけで、とりあえず自分が消費したものを陳列してみよう、と思って始めたのがこのブログなのです。とか言って。 「d」1号の編集後記を引用させてもらおう。『世の中のショップのほとんどは「売りたいもの」ではなく「売れるもの」を売って商売しています。そして、「売れるもの」を参考にものはどんどん作られていく。』かくして、本屋に売れない文芸誌は並ばなくなり、喫茶店はドトールに駆逐されていく。ドトールの良さと喫茶店の良さは別物だから、できれば両方利用したいけど、お金が余分になければ現実問題、喫茶店には行けないのです。それがほんと〜〜に悩ましいところですね。 さらに、「デザイン」に関しても、最近思っていることが後記に書いてあるので引用しよう。『デザインをすればするほど、「デザイン好き」にはたまらないものになりますが、普通に生活している人々にとっては異質なものになる。この「デザインをしすぎない」というか「デザインをなるべくしない」というスタイルで「デザイン」を伝えていかなければ、そこに関心のない人に少しだけ関心を持たせることはできない』。これは深澤直人の「ふつう」という連載コラムにもその理念が明確だ。「引き算のデザイン」ではないのがポイントです。以前、NHKのルポ番組で深澤さんのプレゼンテーションの様子を見ましたが、「シャチハタ」(ハンコですね)を改良したい、というクライアントの要望を受けて、どういうロジックでこういう形に至ったか、という説明がみごとで、はー、さすがだねえ〜と思った記憶があります。 世界各地の人々がネットを通じてスポンサーになる、というクリストの作品のように、望まれて生まれる芸術作品はとても幸せだとも思う。 この「d」、盛岡では「ルームデザイン」で売ってるみたいです(私はネット注文した)。インテリアショップで売ってるというのが、ちょっとなー客層狙いすぎ、と思っちゃうけどさ。どうせ「スローライフ」とか「癒し」とか口にする主婦が買ったりするんだぜえ〜。けっ。
by kids_blog
| 2005-03-30 23:05
| 読むもの聞くもの
|
カテゴリ
以前の記事
2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 フォロー中のブログ
いまんとこ遠野なブログ(... モリオカ キッチン もりおか宅呑み日記(だった) はるの匙かげんな日々 岩手県盛岡市 【リヴァー... いわてぐらし。 ■tototitta! ... イシハナ雑記帖 少女座再販委員会 もりおか宅呑み日記 最新のトラックバック
ライフログ
plofile
エディトリアル&
グラフィックデザイン、 イラストレーション、 企画制作などを生業としております。 岩手県盛岡市在住。 家族構成:夫・長男・長女・犬。 検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||